タカダ薬局の「若先生」健康について語るブログ

健康にまつわる話を、体験も交えて語ります

漢方の基本的な考え方⑤【土用とは何ぞや?鰻を食べる理由とは・・・】

キーン・コーン・カーン・コーン

キーン・コーン・カーン・コーン

 

小さなクスリ屋の「若先生」です

 

今回は、以前お話しした五行の突っ込んだバージョンをおおくりします。

 

「五行色体表」と「五行相対図」を思い出してください。

その中に、「土」と呼ばれる場所があったと思います。

「土」は五臓では「脾」、五腑では「胃」が関わってきます。

「脾・胃」は、漢方においては、五臓・五腑の中心的な位置付けとなってます。

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それはなぜか・・・

 

答えは、「脾」は胃腸全体をさし、「胃」が「気」を作り出す製造工場である為です。

 

なので、「胃」の元気がないと、「気」が作られず、身体は活力を失います。

 

「胃」は冷やすことで、簡単に機能が低下します。現代人は、年中冷たい物を摂ることが多いため、「胃」の力が衰えて、作り出す「気」が少なくなります。

 

前回もお話ししましたが、「気」は生命エネルギーそのものです。

 

普段より元気がない方は、「胃」を温める生活にしてみると、身体が楽になると思いますよ。

 

さて、話は戻りますが、「土」に関係することで、「土用」というものがあります。

 

土用は、各季節にあり、立夏の前が春の土用、立秋の前が夏の土用、立冬の前が秋の土用、立春の前が冬の土用です。

期間は各18日づつあります。この時期は、特に「脾」が働き五臓の働きを養うので、「脾」の働きが悪いと五臓全体が弱ってきます。

なので、「脾」を養うために、夏の土用では鰻を食べるのは有名なところ。

本来なら、4つの土用すべてで鰻を食べた方がいいでしょうが。

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「脾」は、「甘」と対応しているので、甘い物が力になりますが、甘いものと言っても、お菓子やら、砂糖やらそういうものを摂ればいいわけではないです。野菜等から出てくる自然な甘み程度で十分です。必要以上の「甘」は逆効果に身体を壊す原因になります。

 

「大過不及」という言葉がありますが、いつもほどほどにするのが良いという意味です。

 

近年、メディアでは、「これが何々にとてもいいんです!」と宣伝されれば、そればかりを大量に摂って、逆に身体を壊すケースがあります。

薬でも、食べ物でも、サプリメントでも、摂り過ぎは毒になるので注意して下さいね。

 

「脾」・「胃」の大切さを感じてもらえれば、ありがたいな(^^♪

チビたちのように、かめはめ波(笑)打てるくらい気を充実させられるよう、若先生も頑張りたいと思います。

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漢方の基本的な考え方④【気の考え方】

キーン・コーン・カーン・コーン

キーン・コーン・カーン・コーン♬

 

小さなクスリ屋の「若先生」です

 

今回は、「気」についてお話ししたいと思います。

 

「気」と言えば、みんなは何を想像するかな?

 

若先生は、やっぱりドラゴンボールを想像します。

絶大な気のパワーで放つ「かめはめ波

そう、つまりは生命エネルギーみたいなものです。

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そして、生薬にも、同じく「気」を持っていて、その「気」の性質で、作用が変わってきます。

 

大きく分けると

「温」・「寒」に分けられます

更に、これは「微温」・「微寒」に分けられます。

どちらにも属さない中立なものを「平」と言います。

 

つまり、

「温」・「微温」・「平」・「微寒」・「寒」と五つに分けることができます。

作用は、それぞれ文字通りで、

 

気が「寒」であれば、冷やすことが主な作用

 

気が「温」であれば、温めることが主な作用

 

「微」が付けば、やや冷やす、やや温めるといった具合です。

 

「味」については、以前お話ししましたが、この「気」の作用を組み合わせて、生薬の作用を「辛温」や「苦寒」とかで表します。

因みに、「辛温」は、機能が滞っているときに刺激や興奮を与える目的で使われる処方に使われることが多いです。

ほとんどの生薬には、「味」と「寒温」が存在します。

これだけ分かるだけでも、その処方がどういう作用を持つのかなんとなくわかるのです。

もちろん、生薬自体の効果もあることを忘れてはいけません。

そんなことで、各生薬を紹介するときに、こららの用語を使いますので、覚えておいてね(#^.^#)

漢方の基本的な考え方③【全ては繋がっています】

キーン、コーン、カーン、コーン♬

キーン、コーン、カーン、コーン♬

 

起立・礼・着席!

 

小さなクスリ屋の「若先生」です

前回は、「味」について、お話ししました。

今回は、「五行を基にした繋がり」について、話したいと思います。

 

五行には、自然界の循環、木・火・土・金・水の関係性があり、「味」もそれぞれに入ります。

その他にどういうものがあるかは、まずは表をみてもらいましょう。 

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五臓に関しては、前回のお話の時に少しふれました。

その他に、五臓の裏の関係性をもつ「五腑」や、漢方の考え方で重要となってくる経絡の「陰経」・「陽経」などがあります

また、よくこういう色の物を食べると、身体のどこどこに良いと言われるのは、「五色」と関係してきます。

四季に土用が加わった「五季」がありますが、この土用は、「土用の丑の日」の土用になります。

実は、「土用」は、年に4回、季節の変わり目に存在します。

その他にも、感情を表す「五志」や、液体にも「五液」が存在します。

 

例えば、恐れが強い人は、腎に負荷がかかります。腎に負荷がかかるという事は、髪に影響して白髪になる。

胃を冷やすと土の力が弱くなり、金に影響を及ぼし、そこに繋がる肺に影響を与える為、咳が出る

こういった具合に、影響するところで、繋がって、違う所にも影響が出るといったのを、「五行相対図」と「五行色体表」を組み合わせて考えるわけです。

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今後のお話で、ちょいちょい出てきます。この考え方があると、色々な場面で考え方の参考になるので覚えておくよいいでしょう。

 

次回は、もっと突っ込んでお話ししようと思います

漢方の基本的な考え方②【知られざる「味」の働き!】

キーン、コーン、カーン、コーン♬

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起立・礼・着席!

 

小さなクスリ屋の「若先生」です

 

今回から、いよいよ漢方の基本的な考え方をやっていきたいと思います。

まず、漢方の処方を決定するのに重要な要素が何点かあります。

そのうちの、今回は「味」の働きにつてお話ししようと思います。

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漢方で「味」と呼ばれるものは、

 

「酸(すっぱい)」

「苦(にがい)」

「甘(あまい)」

「辛(からい)」

「鹹(すっぱい)」

 

の5つがあります。

この味たち、それぞれ効果を持っています。

 

「酸主収:すっぱいものは散らばったものを集める作用がある」

「苦主固:にがいものは緩んだものを引締める作用がある」

「甘主緩:甘いものは固まったものを解す作用がある」

「辛主散:辛いものは滞ったものを散らす作用がある」

「鹹主濡:しょっぱいものは物が乾きにくくする作用がある」

 

これは、生薬に限らず、普通の食べ物においても、おおむね当て余ります。

また、「味」には、「味の三用」というものがあり、

 

「補:不足を充たす事」

「助:該当する臓器を助ける事」

「益:助けてくれる臓器を助ける事」

 

なんのこっちゃ?となりますね。

 

これを説明するにあたっては、「五行相対図」について説明しなくてはいけません。

因みに、五行相対図とは、木・火・土・金・水で表されるそれぞれの関係性を表したものです。

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「木」は燃えて「火」を生み、

燃え尽きた「火」は「灰=土」を作り、

「土」から「金」が生まれ、

「金」が「水」に変わり、

「水」は「木」を育てる、

 

といった自然界の循環を表しています。

 

表に、「相生」・「相剋」という言葉がありますが、

 

「相生」は、「木」の力で「火」の力が大きくなる、「木」が「火」を助ける事

「相剋」は、「木」が育つために「土」のエネルギーを吸って弱らせる邪魔をする事

 

そして、この自然界の循環を表す五行には、それぞれ対応する臓器があります

 

「木」には「肝」

「火」には「心」

「土」には「脾」

「金」には「肺」

「水」には「腎」

 

といった具合です。

 

では、ここで、先ほどでていた、補・助・益について、「酸」を例にして説明します。

 

「酸」は「肝」にエネルギーとして入ります。つまり、エネルギーを「補(う)」です

「酸」は「肝」に入ることでエネルギーが増して、「腎」の負担が減って「助(かり)」ます

そして、「酸」が「肝」に入って「腎」の負担が減ることで、その前の「肺」も「益(々)」助かる

 

といった具合にが関わることを、「味の三用」と言います。

 

五行には、色々な臓器や感情、色、季節、今回出てきた「味」が関係していきます。

それは、次回お話ししようと思います。

 

では、今日はこのへんで。

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キーン、コーン、カーン、コーン♬

キーン、コーン、カーン、コーン♬

漢方の基本的な考え方①【序章:私が漢方に出会ったキッカケ】

小さなクスリ屋の「若先生」です

前回、お話ししたように、今回からブログは自分が学んでいる漢方を伝えていこうと思います。

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伝えることが、自分の勉強の復習にもなりますので(^^♪

出来るだけ分かりやすくは書いていくつもりですのでお付き合いください。

 

今回は、自分が漢方について学び始めたのかをお話ししようと思います。

若先生は、月1回北海道の中枢である札幌に行って勉強させてもらってます。

何故行くことになったかというと、最初は若先生の父が、

「知り合いの先生が勧めてるから、一度行ってみたらどうだ?」が始まりでした。

 

実は、若先生は漢方が苦手でした、大学では生薬の授業がありましたが、成分等を覚えるのが苦手で、あまりなじめませんでした。

 

なので、初めは気は進みませんでしたが、「とりあえず行くだけ行ってみようかな」と軽い気持ちで行きました。

 

漢方には、中医学と朴庵漢方があります。

簡単に説明すると、

中医学は、フローチャート式(病名漢方)→誰がやっても、必ず、決まった漢方処方に行きつく

朴庵漢方は、あらゆる要因を考慮して考え出す漢方→決まった処方はない(考え方の違いによって漢方処方が変わる)

 

若先生が学び始めたのは、朴庵漢方でした。

今までの漢方の考え方が一気に変わりました。

「この生薬は、熱を払う作用がある」「この生薬は、冷やす作用がある」「この生薬には、発汗させる効果がある」といったように、生薬と体の症状、状態をもとに処方を導くことができる。

これは、おもしろいと思いました。

しかし、難点が1つありました。

テキストが、漢文であることです。

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学校で漢文にふれたことがある人は多いはず。

かなりの読み難さ、そして解釈が難しい。この書物は、「傷寒論」・「金匱要約」といいます。解釈云々は別として、漢方製剤はこれを参考にしてるものが多いです。

 

漢文の例を一つ上げてみます。

太陽病項背強𠘨𠘨無汗悪風葛根湯主之

 

パット見、なんのこっちゃ?となると思います。

 

因みに解釈は、

「太陽病の病で、首の付け根から背中にかけて突っ張る感じ、こわばりがあり、汗が出ることがなく、悪寒(寒気がする)人は、葛根湯がよい」

という形になります。

 

何故、汗が出ない人なのか、それは、葛根湯に含まれている生薬の中に「麻黄」というものがあります。これは、体の中に籠った熱を発散させる効果があり、「発汗剤」と呼ばれています。まあ、詳しくは、今後お話していきますね。

 

そんなこんなで、この漢文を読み、解釈しつつ、別途「新古方薬嚢」という書物を用いて、講義を受けてくるわけです。

受講して、早4年になります。

その中で、漢方の考えでしか治せないような症例をたくさん聞かせてもらいました。

 

実際、自分の子供の症状にあたる物とかもあり、試したこともあります。

 

どんな学問もそうですが、一生かけて自己研鑽をしていかなければなりません。そのなかで、自分の学んだ知識が、病で困っている人の助けになればいいなと思ってます。

 

取り留めのない文章になってしまいましたが、楽しく勉強しております。

 

次回からは、基本的な考え方、「五行」について話していこうと思います。

あの香辛料は、身体を温める?冷やす?(辛党の若先生も注意せねば!)

小さなクスリ屋の「若先生」です

前回は、免疫と体温の関係についてお話ししました。

今回は、体温繋がりで、以前、漢方の勉強から得た知識をお話ししようと思います。

 

香辛料を使う事がありますか?

 

若先生は、辛い物が大好物です。
超激辛党で、激辛カレー、激辛ラーメン、激辛麻婆豆腐は大好物(^^♪

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しかし、香辛料の危うさを知ったのは、漢方の勉強をしてからでした。
出来るだけ、注意しなくてはと思う今日この頃。

さて、香辛料で汗をかく、体をあたためるために香辛料を使うといいといいますが、実は体を冷やしてしまうものなのだという事を皆さんご存知ですか?
皆さんは、香辛料で汗をかくことも多いと思います。汗は、体の中の熱を体外に放出する手段です。つまり、香辛料をとって汗をかけばかくほど体は冷えていくという仕組みです。
皆さんは、風邪を引いて熱が出たときはどのようにしていますか?ほとんどの人が汗をかかせて熱を下げようとしますよね?つまり、熱を帯びている体を冷やしているのです
更に、この汗で体の元気の素「気」も出て行ってしまうため、体の中のいろんな臓器が元気不足になります。

漢方の考え方に五行という考え方があります。

 

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この五行のバランスが崩れることで、体に不調が現れるわけです。

この五行は、他に臓器にも関連しています。それを現したのが五行色体表です。

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次回から、漢方について話そうと思うので、五行に関しては、近いうちにお話ししようと思います。つまり、必要以上の発汗で、体のエネルギー「気」が発散されて、木・火・土・金・水のバランスがとれなくなり、食欲不振、消化不良、動悸に、ダルさなどなどがでてきます。

 

こんなわけで、香辛料には要注意です。摂るにしても、適度に。
何でも摂り過ぎは毒になってしまいますからね(*_*

えっ!知ってますか?体温と免疫力の密な関係!

小さなクスリ屋の「若先生」です

 

今までに何回か、「体温」と「免疫」の関係について出てきましたが、ちょっと突っ込んでお話ししようと思います。

 

Q:身体の中で一番熱を作り出すの場所はどこだと思いますか?

 

 A:筋肉です

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皆さんは、寒いときに震えることがあると思いますが、これば筋肉が熱を作り出そうという動きで、筋肉量を増やすと、作られる熱量も多くなり、体温が上がります。

 

筋力トレーニングは、成長ホルモンの分泌を促す効果があります

 

そして、成長ホルモンは、骨や筋肉の成長、美肌などに重要なホルモンで、体温を上げて脂肪を分解する働きもあります。

 

しかし、このホルモンは、20歳を境に急激に減少します

 

なので、ホルモン維持には、日々筋トレをすることである程度維持で来ます。

筋肉が付けば、骨も強くなり、余分な脂肪もなくなり、熱量も上がっていいことばかり。

こう考えると、食べないダイエットより、動くダイエットの方が身体にいいことが分かりますね。

 

ここで、内臓脂肪について触れておきます。

内臓脂肪は、主に腸の回りの脂肪で、付きやすく落ちやすい性質を持っています。そして、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を引き起す悪玉のホルモンを分泌する作用があります。

見た目はスリムな方でも、実は内臓脂肪が高いという方は多いです。

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運動などで体温が上がると、脂肪はグリセロールと脂肪酸に分解され、内臓脂肪は燃焼されやすくなります。

イメージとしては、牛脂に熱を加えると溶けていく感じです

体温は、健康な人であれば、朝目覚める少し前から徐々に上がり、起床後、活動を開始すると、更に上がっていきます。

夕方ごろにピークに達し、夜にかけて急低下します。(お昼が一番高いわけではないですよ)

なので、就寝後から明け方に更に下がるのが、ベストな体温変動です。

 

さて、以前からお話しているように、免疫を高める為には、体温が高い方がいい。そして、免疫力が強くなれば、細菌やウイルスに対して強くなります。そればかりか、温めることで、交感神経の働きが活発になり、エネルギー代謝がアップ、つまり痩せるということになります。

 

低体温の人は、体温が一番下がっている朝に冷水を飲むと、体温が更に低くなってしまう為、避けた方がいいです。

飲むならば、白湯。身体がポカポカしてきますよ。

 

また、身体を温める効果のある食べ物として、「生姜」があります。

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この「生姜」の中には、殺菌効果の強い「シンゲロール」という成分が多く含まれています。生姜を温めることで、この「シンゲロール」が、身体を温める効果の強い「ショウガオール」という成分に変わります。

 

このことから、生姜は、「冷え」・「血流アップ」・「消化促進」・「殺菌」などに効果があることが分かりますね。

 

効果的に身体を温めるには、「ポリフェノール」と一緒に摂ると効果が倍増します。

ポリフェノール」には、身体の中心を温め、血管を拡げて、末端の血管を温める効果があります。特に、体温の低い朝方に摂る事です。また、生姜の香りにも、血液の流れをよくする作用があります。芯からポカポカになり、1日を気分よく乗り越えられると思いますよ。

ただし、生姜は摂り過ぎると、胃腸へ負担がかかる為注意して下さいね!

 

体温を温めることは、健康に生活することに大切な事と分かりますね(#^.^#)

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