ちょっと一息、子供の鼻血には理由がある(体験談より)
小さなクスリ屋の「若先生」です
最近固い話が多かったので、今日は、鼻血について、語ろうと思います
若先生の一番上のイッチュ(あだ名)は、よく鼻血をだします。
時には、ダブルで(笑)
あたり一面を血の海に変える事はよくありますが、なぜ鼻血が出るのか?
子供の鼻血は、よく鼻の微粘膜が弱いために、ちょっとしたことで血管が切れやすいと言われています。
その場合の出血は、見た目ほど出てはいませんし、比較的すぐに止まります。
しかし、イッチュの鼻血は半端ないほど出ます。
何せ、ダブルですから
さて、人は、色々な方法で体にこもった熱(気)を出します。
それは、汗だったり(発汗)、小便だったり、大便だったり(下す)。
また、気・血・水という考え方があります。
この3つは、体内でバランスをとっています。
因みに、「水」とは、体液全般を指します。
バランスが崩れると、血の流れが滞ったり、水分をうまくさばけなかったり、気がうまく巡らなかったりします。
なので、バランスが崩れたり、処理が追い付かないときがあります。
その時には、身体の緊急処置として鼻血がでます。
脳は、極度の熱に弱く、高温のままでは、障害をもたらしてしまいます。
子供は、気のかたまりで、体内に気が充実しています。これが、うまく発散されない場合、脳の方にも必要以上の熱(気)が溜まってしまうので、脳を守るために鼻血として熱を出すわけです。血が熱を持つわけです。
つまり、ある程度冷却するまでは、止まりにくい事があるかもしれませんので慌てずに対応するといいでしょう。
とはいっても、やっぱり子供の鼻血は慌てますよね
あまり止まらなすぎる場合は、違う原因も考えられるので、その時は、医療機関への受診をお願いしますね。
熱を溜めすぎない身体の自然な反応。まさに神秘ですね😃
漢方の基本的な考え方⑥【漢方を使う心構え!6つの決まり事】
小さなクスリ屋の「若先生」です
今回は、漢方薬を選ぶにあたっての、若先生、並びに漢方をやっている先生方の心構え的な事をお話ししたいと思います。
漢方には、「證(しょう)」と「方(ほう)」というものがあります。
これは、鍵穴と鍵の関係でと言われます。
「證」とは、容態(患者の訴える状態):頭痛・発熱・寒気など
「方」とは、病證に合わせて作られた方法(薬名、分量、調整法、服用法などを示したもの):該当するであろう漢方薬
漢方薬は知っての通り、色々な生薬が混ざり合って、1つの漢方として存在しています。メインの生薬(主薬)があり、それをサポートする生薬があります、そして強弱をつけるために、各生薬の調整します。
例えとして、料理を想像してください。メインの味付けと、それをサポートする味付けがあり、調和がとれているはずです。漢方処方でも同じ事が言えます。
そして、この「證」と「方」が合致すれば、必ず治ると言われていますし、若先生も実際自分自身の身体で体験しております(^^♪
さて、これを踏まえて、6つの決まりごとについてお話しします。
この決まりごとは、「方治要領」と呼ばれています。
①證による治し方を考える
②陰陽虚実寒熱による見極め
陰陽とは、病気が出てくる場所を表します
虚実とは、病気の余りと不足の事で、虚は全くない又は少し、実は有る又は多いを表します
例えば、気が足りない人は「気虚」といった具合
寒熱とは、病の種類を表します
③発病の原因をよく確かめる
身体に現れる症状には、原因となるものが必ずあります。それを取り除くことが基本
これさえ治せば、各症状もおのずと消える
因みに、原因には、身体の内側から来るものと、身体の外から来るものがあるので注意
④新しい病気(急性病)か、元々ある病気(慢性病)かの区別をよくする
急性病と慢性病では、対処の方法が異なる為
⑤現時点での季節と病気になった時の季節をよく考える(春夏秋冬&土用)
季節の影響で、病気を発する場合が多いため
季節の変わり目に病む人もこの類です
⑥老人・幼児・女子には特に注意をする
老人は、気や血が衰えていて、巡りが悪い
幼児は、身体がまだ不完全なので、気と血の巡りがずれ易い
女子は、血の道の病、つまり生理等の女性特有の血にまつわる症状、経水の不調が起こりやすい
こんなことに気を付けながら、その人に合った漢方薬を選ぶわけです。
あらゆる状況を加味して、身体の中の力を見極める力が必要となってきます。
これには経験あるのみなので、若先生も頑張っていきたいと思います。
今回は難しい話だったので、こんなのもあるんだ位で留めておいてください^_^;
漢方の基本的な考え方⑤【土用とは何ぞや?鰻を食べる理由とは・・・】
キーン・コーン・カーン・コーン
キーン・コーン・カーン・コーン
小さなクスリ屋の「若先生」です
今回は、以前お話しした五行の突っ込んだバージョンをおおくりします。
「五行色体表」と「五行相対図」を思い出してください。
その中に、「土」と呼ばれる場所があったと思います。
「土」は五臓では「脾」、五腑では「胃」が関わってきます。
「脾・胃」は、漢方においては、五臓・五腑の中心的な位置付けとなってます。
それはなぜか・・・
答えは、「脾」は胃腸全体をさし、「胃」が「気」を作り出す製造工場である為です。
なので、「胃」の元気がないと、「気」が作られず、身体は活力を失います。
「胃」は冷やすことで、簡単に機能が低下します。現代人は、年中冷たい物を摂ることが多いため、「胃」の力が衰えて、作り出す「気」が少なくなります。
前回もお話ししましたが、「気」は生命エネルギーそのものです。
普段より元気がない方は、「胃」を温める生活にしてみると、身体が楽になると思いますよ。
さて、話は戻りますが、「土」に関係することで、「土用」というものがあります。
土用は、各季節にあり、立夏の前が春の土用、立秋の前が夏の土用、立冬の前が秋の土用、立春の前が冬の土用です。
期間は各18日づつあります。この時期は、特に「脾」が働き五臓の働きを養うので、「脾」の働きが悪いと五臓全体が弱ってきます。
なので、「脾」を養うために、夏の土用では鰻を食べるのは有名なところ。
本来なら、4つの土用すべてで鰻を食べた方がいいでしょうが。
「脾」は、「甘」と対応しているので、甘い物が力になりますが、甘いものと言っても、お菓子やら、砂糖やらそういうものを摂ればいいわけではないです。野菜等から出てくる自然な甘み程度で十分です。必要以上の「甘」は逆効果に身体を壊す原因になります。
「大過不及」という言葉がありますが、いつもほどほどにするのが良いという意味です。
近年、メディアでは、「これが何々にとてもいいんです!」と宣伝されれば、そればかりを大量に摂って、逆に身体を壊すケースがあります。
薬でも、食べ物でも、サプリメントでも、摂り過ぎは毒になるので注意して下さいね。
「脾」・「胃」の大切さを感じてもらえれば、ありがたいな(^^♪
チビたちのように、かめはめ波(笑)打てるくらい気を充実させられるよう、若先生も頑張りたいと思います。
漢方の基本的な考え方④【気の考え方】
キーン・コーン・カーン・コーン
キーン・コーン・カーン・コーン♬
小さなクスリ屋の「若先生」です
今回は、「気」についてお話ししたいと思います。
「気」と言えば、みんなは何を想像するかな?
若先生は、やっぱりドラゴンボールを想像します。
絶大な気のパワーで放つ「かめはめ波」
そう、つまりは生命エネルギーみたいなものです。
そして、生薬にも、同じく「気」を持っていて、その「気」の性質で、作用が変わってきます。
大きく分けると
「温」・「寒」に分けられます
更に、これは「微温」・「微寒」に分けられます。
どちらにも属さない中立なものを「平」と言います。
つまり、
「温」・「微温」・「平」・「微寒」・「寒」と五つに分けることができます。
作用は、それぞれ文字通りで、
気が「寒」であれば、冷やすことが主な作用
気が「温」であれば、温めることが主な作用
「微」が付けば、やや冷やす、やや温めるといった具合です。
「味」については、以前お話ししましたが、この「気」の作用を組み合わせて、生薬の作用を「辛温」や「苦寒」とかで表します。
因みに、「辛温」は、機能が滞っているときに刺激や興奮を与える目的で使われる処方に使われることが多いです。
ほとんどの生薬には、「味」と「寒温」が存在します。
これだけ分かるだけでも、その処方がどういう作用を持つのかなんとなくわかるのです。
もちろん、生薬自体の効果もあることを忘れてはいけません。
そんなことで、各生薬を紹介するときに、こららの用語を使いますので、覚えておいてね(#^.^#)
漢方の基本的な考え方③【全ては繋がっています】
キーン、コーン、カーン、コーン♬
キーン、コーン、カーン、コーン♬
起立・礼・着席!
小さなクスリ屋の「若先生」です
前回は、「味」について、お話ししました。
今回は、「五行を基にした繋がり」について、話したいと思います。
五行には、自然界の循環、木・火・土・金・水の関係性があり、「味」もそれぞれに入ります。
その他にどういうものがあるかは、まずは表をみてもらいましょう。
五臓に関しては、前回のお話の時に少しふれました。
その他に、五臓の裏の関係性をもつ「五腑」や、漢方の考え方で重要となってくる経絡の「陰経」・「陽経」などがあります
また、よくこういう色の物を食べると、身体のどこどこに良いと言われるのは、「五色」と関係してきます。
四季に土用が加わった「五季」がありますが、この土用は、「土用の丑の日」の土用になります。
実は、「土用」は、年に4回、季節の変わり目に存在します。
その他にも、感情を表す「五志」や、液体にも「五液」が存在します。
例えば、恐れが強い人は、腎に負荷がかかります。腎に負荷がかかるという事は、髪に影響して白髪になる。
胃を冷やすと土の力が弱くなり、金に影響を及ぼし、そこに繋がる肺に影響を与える為、咳が出る
こういった具合に、影響するところで、繋がって、違う所にも影響が出るといったのを、「五行相対図」と「五行色体表」を組み合わせて考えるわけです。
今後のお話で、ちょいちょい出てきます。この考え方があると、色々な場面で考え方の参考になるので覚えておくよいいでしょう。
次回は、もっと突っ込んでお話ししようと思います
漢方の基本的な考え方②【知られざる「味」の働き!】
キーン、コーン、カーン、コーン♬
キーン、コーン、カーン、コーン♬
起立・礼・着席!
小さなクスリ屋の「若先生」です
今回から、いよいよ漢方の基本的な考え方をやっていきたいと思います。
まず、漢方の処方を決定するのに重要な要素が何点かあります。
そのうちの、今回は「味」の働きにつてお話ししようと思います。
漢方で「味」と呼ばれるものは、
「酸(すっぱい)」
「苦(にがい)」
「甘(あまい)」
「辛(からい)」
「鹹(すっぱい)」
の5つがあります。
この味たち、それぞれ効果を持っています。
「酸主収:すっぱいものは散らばったものを集める作用がある」
「苦主固:にがいものは緩んだものを引締める作用がある」
「甘主緩:甘いものは固まったものを解す作用がある」
「辛主散:辛いものは滞ったものを散らす作用がある」
「鹹主濡:しょっぱいものは物が乾きにくくする作用がある」
これは、生薬に限らず、普通の食べ物においても、おおむね当て余ります。
また、「味」には、「味の三用」というものがあり、
「補:不足を充たす事」
「助:該当する臓器を助ける事」
「益:助けてくれる臓器を助ける事」
なんのこっちゃ?となりますね。
これを説明するにあたっては、「五行相対図」について説明しなくてはいけません。
因みに、五行相対図とは、木・火・土・金・水で表されるそれぞれの関係性を表したものです。
「木」は燃えて「火」を生み、
燃え尽きた「火」は「灰=土」を作り、
「土」から「金」が生まれ、
「金」が「水」に変わり、
「水」は「木」を育てる、
といった自然界の循環を表しています。
表に、「相生」・「相剋」という言葉がありますが、
「相生」は、「木」の力で「火」の力が大きくなる、「木」が「火」を助ける事
「相剋」は、「木」が育つために「土」のエネルギーを吸って弱らせる邪魔をする事
そして、この自然界の循環を表す五行には、それぞれ対応する臓器があります
「木」には「肝」
「火」には「心」
「土」には「脾」
「金」には「肺」
「水」には「腎」
といった具合です。
では、ここで、先ほどでていた、補・助・益について、「酸」を例にして説明します。
「酸」は「肝」にエネルギーとして入ります。つまり、エネルギーを「補(う)」です
「酸」は「肝」に入ることでエネルギーが増して、「腎」の負担が減って「助(かり)」ます
そして、「酸」が「肝」に入って「腎」の負担が減ることで、その前の「肺」も「益(々)」助かる
といった具合にが関わることを、「味の三用」と言います。
五行には、色々な臓器や感情、色、季節、今回出てきた「味」が関係していきます。
それは、次回お話ししようと思います。
では、今日はこのへんで。
キーン、コーン、カーン、コーン♬
キーン、コーン、カーン、コーン♬
漢方の基本的な考え方①【序章:私が漢方に出会ったキッカケ】
小さなクスリ屋の「若先生」です
前回、お話ししたように、今回からブログは自分が学んでいる漢方を伝えていこうと思います。
伝えることが、自分の勉強の復習にもなりますので(^^♪
出来るだけ分かりやすくは書いていくつもりですのでお付き合いください。
今回は、自分が漢方について学び始めたのかをお話ししようと思います。
若先生は、月1回北海道の中枢である札幌に行って勉強させてもらってます。
何故行くことになったかというと、最初は若先生の父が、
「知り合いの先生が勧めてるから、一度行ってみたらどうだ?」が始まりでした。
実は、若先生は漢方が苦手でした、大学では生薬の授業がありましたが、成分等を覚えるのが苦手で、あまりなじめませんでした。
なので、初めは気は進みませんでしたが、「とりあえず行くだけ行ってみようかな」と軽い気持ちで行きました。
漢方には、中医学と朴庵漢方があります。
簡単に説明すると、
中医学は、フローチャート式(病名漢方)→誰がやっても、必ず、決まった漢方処方に行きつく
朴庵漢方は、あらゆる要因を考慮して考え出す漢方→決まった処方はない(考え方の違いによって漢方処方が変わる)
若先生が学び始めたのは、朴庵漢方でした。
今までの漢方の考え方が一気に変わりました。
「この生薬は、熱を払う作用がある」「この生薬は、冷やす作用がある」「この生薬には、発汗させる効果がある」といったように、生薬と体の症状、状態をもとに処方を導くことができる。
これは、おもしろいと思いました。
しかし、難点が1つありました。
テキストが、漢文であることです。
学校で漢文にふれたことがある人は多いはず。
かなりの読み難さ、そして解釈が難しい。この書物は、「傷寒論」・「金匱要約」といいます。解釈云々は別として、漢方製剤はこれを参考にしてるものが多いです。
漢文の例を一つ上げてみます。
太陽病項背強𠘨𠘨無汗悪風葛根湯主之
パット見、なんのこっちゃ?となると思います。
因みに解釈は、
「太陽病の病で、首の付け根から背中にかけて突っ張る感じ、こわばりがあり、汗が出ることがなく、悪寒(寒気がする)人は、葛根湯がよい」
という形になります。
何故、汗が出ない人なのか、それは、葛根湯に含まれている生薬の中に「麻黄」というものがあります。これは、体の中に籠った熱を発散させる効果があり、「発汗剤」と呼ばれています。まあ、詳しくは、今後お話していきますね。
そんなこんなで、この漢文を読み、解釈しつつ、別途「新古方薬嚢」という書物を用いて、講義を受けてくるわけです。
受講して、早4年になります。
その中で、漢方の考えでしか治せないような症例をたくさん聞かせてもらいました。
実際、自分の子供の症状にあたる物とかもあり、試したこともあります。
どんな学問もそうですが、一生かけて自己研鑽をしていかなければなりません。そのなかで、自分の学んだ知識が、病で困っている人の助けになればいいなと思ってます。
取り留めのない文章になってしまいましたが、楽しく勉強しております。
次回からは、基本的な考え方、「五行」について話していこうと思います。