タカダ薬局の「若先生」健康について語るブログ

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漢方の基本的な考え方②【知られざる「味」の働き!】

キーン、コーン、カーン、コーン♬

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起立・礼・着席!

 

小さなクスリ屋の「若先生」です

 

今回から、いよいよ漢方の基本的な考え方をやっていきたいと思います。

まず、漢方の処方を決定するのに重要な要素が何点かあります。

そのうちの、今回は「味」の働きにつてお話ししようと思います。

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漢方で「味」と呼ばれるものは、

 

「酸(すっぱい)」

「苦(にがい)」

「甘(あまい)」

「辛(からい)」

「鹹(すっぱい)」

 

の5つがあります。

この味たち、それぞれ効果を持っています。

 

「酸主収:すっぱいものは散らばったものを集める作用がある」

「苦主固:にがいものは緩んだものを引締める作用がある」

「甘主緩:甘いものは固まったものを解す作用がある」

「辛主散:辛いものは滞ったものを散らす作用がある」

「鹹主濡:しょっぱいものは物が乾きにくくする作用がある」

 

これは、生薬に限らず、普通の食べ物においても、おおむね当て余ります。

また、「味」には、「味の三用」というものがあり、

 

「補:不足を充たす事」

「助:該当する臓器を助ける事」

「益:助けてくれる臓器を助ける事」

 

なんのこっちゃ?となりますね。

 

これを説明するにあたっては、「五行相対図」について説明しなくてはいけません。

因みに、五行相対図とは、木・火・土・金・水で表されるそれぞれの関係性を表したものです。

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「木」は燃えて「火」を生み、

燃え尽きた「火」は「灰=土」を作り、

「土」から「金」が生まれ、

「金」が「水」に変わり、

「水」は「木」を育てる、

 

といった自然界の循環を表しています。

 

表に、「相生」・「相剋」という言葉がありますが、

 

「相生」は、「木」の力で「火」の力が大きくなる、「木」が「火」を助ける事

「相剋」は、「木」が育つために「土」のエネルギーを吸って弱らせる邪魔をする事

 

そして、この自然界の循環を表す五行には、それぞれ対応する臓器があります

 

「木」には「肝」

「火」には「心」

「土」には「脾」

「金」には「肺」

「水」には「腎」

 

といった具合です。

 

では、ここで、先ほどでていた、補・助・益について、「酸」を例にして説明します。

 

「酸」は「肝」にエネルギーとして入ります。つまり、エネルギーを「補(う)」です

「酸」は「肝」に入ることでエネルギーが増して、「腎」の負担が減って「助(かり)」ます

そして、「酸」が「肝」に入って「腎」の負担が減ることで、その前の「肺」も「益(々)」助かる

 

といった具合にが関わることを、「味の三用」と言います。

 

五行には、色々な臓器や感情、色、季節、今回出てきた「味」が関係していきます。

それは、次回お話ししようと思います。

 

では、今日はこのへんで。

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キーン、コーン、カーン、コーン♬

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