漢方の基本的な考え方⑥【漢方を使う心構え!6つの決まり事】
小さなクスリ屋の「若先生」です
今回は、漢方薬を選ぶにあたっての、若先生、並びに漢方をやっている先生方の心構え的な事をお話ししたいと思います。
漢方には、「證(しょう)」と「方(ほう)」というものがあります。
これは、鍵穴と鍵の関係でと言われます。
「證」とは、容態(患者の訴える状態):頭痛・発熱・寒気など
「方」とは、病證に合わせて作られた方法(薬名、分量、調整法、服用法などを示したもの):該当するであろう漢方薬
漢方薬は知っての通り、色々な生薬が混ざり合って、1つの漢方として存在しています。メインの生薬(主薬)があり、それをサポートする生薬があります、そして強弱をつけるために、各生薬の調整します。
例えとして、料理を想像してください。メインの味付けと、それをサポートする味付けがあり、調和がとれているはずです。漢方処方でも同じ事が言えます。
そして、この「證」と「方」が合致すれば、必ず治ると言われていますし、若先生も実際自分自身の身体で体験しております(^^♪
さて、これを踏まえて、6つの決まりごとについてお話しします。
この決まりごとは、「方治要領」と呼ばれています。
①證による治し方を考える
②陰陽虚実寒熱による見極め
陰陽とは、病気が出てくる場所を表します
虚実とは、病気の余りと不足の事で、虚は全くない又は少し、実は有る又は多いを表します
例えば、気が足りない人は「気虚」といった具合
寒熱とは、病の種類を表します
③発病の原因をよく確かめる
身体に現れる症状には、原因となるものが必ずあります。それを取り除くことが基本
これさえ治せば、各症状もおのずと消える
因みに、原因には、身体の内側から来るものと、身体の外から来るものがあるので注意
④新しい病気(急性病)か、元々ある病気(慢性病)かの区別をよくする
急性病と慢性病では、対処の方法が異なる為
⑤現時点での季節と病気になった時の季節をよく考える(春夏秋冬&土用)
季節の影響で、病気を発する場合が多いため
季節の変わり目に病む人もこの類です
⑥老人・幼児・女子には特に注意をする
老人は、気や血が衰えていて、巡りが悪い
幼児は、身体がまだ不完全なので、気と血の巡りがずれ易い
女子は、血の道の病、つまり生理等の女性特有の血にまつわる症状、経水の不調が起こりやすい
こんなことに気を付けながら、その人に合った漢方薬を選ぶわけです。
あらゆる状況を加味して、身体の中の力を見極める力が必要となってきます。
これには経験あるのみなので、若先生も頑張っていきたいと思います。
今回は難しい話だったので、こんなのもあるんだ位で留めておいてください^_^;