漢方の基本的な考え方①【序章:私が漢方に出会ったキッカケ】
小さなクスリ屋の「若先生」です
前回、お話ししたように、今回からブログは自分が学んでいる漢方を伝えていこうと思います。
伝えることが、自分の勉強の復習にもなりますので(^^♪
出来るだけ分かりやすくは書いていくつもりですのでお付き合いください。
今回は、自分が漢方について学び始めたのかをお話ししようと思います。
若先生は、月1回北海道の中枢である札幌に行って勉強させてもらってます。
何故行くことになったかというと、最初は若先生の父が、
「知り合いの先生が勧めてるから、一度行ってみたらどうだ?」が始まりでした。
実は、若先生は漢方が苦手でした、大学では生薬の授業がありましたが、成分等を覚えるのが苦手で、あまりなじめませんでした。
なので、初めは気は進みませんでしたが、「とりあえず行くだけ行ってみようかな」と軽い気持ちで行きました。
漢方には、中医学と朴庵漢方があります。
簡単に説明すると、
中医学は、フローチャート式(病名漢方)→誰がやっても、必ず、決まった漢方処方に行きつく
朴庵漢方は、あらゆる要因を考慮して考え出す漢方→決まった処方はない(考え方の違いによって漢方処方が変わる)
若先生が学び始めたのは、朴庵漢方でした。
今までの漢方の考え方が一気に変わりました。
「この生薬は、熱を払う作用がある」「この生薬は、冷やす作用がある」「この生薬には、発汗させる効果がある」といったように、生薬と体の症状、状態をもとに処方を導くことができる。
これは、おもしろいと思いました。
しかし、難点が1つありました。
テキストが、漢文であることです。
学校で漢文にふれたことがある人は多いはず。
かなりの読み難さ、そして解釈が難しい。この書物は、「傷寒論」・「金匱要約」といいます。解釈云々は別として、漢方製剤はこれを参考にしてるものが多いです。
漢文の例を一つ上げてみます。
太陽病項背強𠘨𠘨無汗悪風葛根湯主之
パット見、なんのこっちゃ?となると思います。
因みに解釈は、
「太陽病の病で、首の付け根から背中にかけて突っ張る感じ、こわばりがあり、汗が出ることがなく、悪寒(寒気がする)人は、葛根湯がよい」
という形になります。
何故、汗が出ない人なのか、それは、葛根湯に含まれている生薬の中に「麻黄」というものがあります。これは、体の中に籠った熱を発散させる効果があり、「発汗剤」と呼ばれています。まあ、詳しくは、今後お話していきますね。
そんなこんなで、この漢文を読み、解釈しつつ、別途「新古方薬嚢」という書物を用いて、講義を受けてくるわけです。
受講して、早4年になります。
その中で、漢方の考えでしか治せないような症例をたくさん聞かせてもらいました。
実際、自分の子供の症状にあたる物とかもあり、試したこともあります。
どんな学問もそうですが、一生かけて自己研鑽をしていかなければなりません。そのなかで、自分の学んだ知識が、病で困っている人の助けになればいいなと思ってます。
取り留めのない文章になってしまいましたが、楽しく勉強しております。
次回からは、基本的な考え方、「五行」について話していこうと思います。